2013年10月14日

雑感:原発輸出について

 「原発輸出 国が安全未確認」(毎日新聞、2014・10・14)という見出しに、思わずのけぞった。今年5月のゴールデン・ウィークに安倍総理が中東を歴訪し、サウジアラビア・アラブ首長国連邦・トルコ共和国と、立て続けに原子力協定を締結してきたということはまだ記憶に新しい。日本の企業による原発輸出を積極的に後押ししてきただけに、冒頭のニュースは見逃すわけには行かない。

 それにしても、フクイチの事故以来ほとんど何も解決していない中で、「安全未確認の原発を輸出しかねない」となると、ほんとに国際社会での信頼は完全に失う。こと原発だけに、「売るほうも売るほうだが、買う方も買う方だ!」とは言えないのだ。政府が後押しした格好になっているだけに、政府と企業との癒着と言われてもしょうがない蛮行だということになる。

 冒頭の見出しの記事について内容を見てみよう。同紙によると、原発関連機器の輸出を巡り、2012年までの10年間に輸出された約1248億の機器のうち、少なくとも約4割の約511億円分は、機器の品質などを調べる国の「安全確認」と呼ばれる手続きを経ていないことが分かったと。輸出先は、ブラジルやスウェーデン、台湾など18カ国・地域に及び、原子炉圧力容器など原子炉の主要な部品も含まれていたと指摘。
「原発関連機器を輸出する際、国が品質を調べる制度は安全確認だけ。政府系金融機関『国際協力銀行』の融資か、有事に備えた独立行政法人『日本貿易保険』の保険を利用した場合に限り実施されてきた。書類上の簡単な審査で『元々不十分』(伴英幸・原子力資料情報室共同代表)と批判されてきたが、それさえ経ない巨額の輸出が存在することが初めて明らかになった。」(同紙)と報じた。

 これでは、今後もこのようなことが少なくとも、サウジアラビア・アラブ首長国連邦・トルコ共和国で行われれば、政府と大企業との癒着と指摘されても言い訳ができないことになる。「まさか、そこまでは?」と思いたいが、こうして国民の信頼を裏切り続けている以上、疑わざるを得ないのが偽らざる思いである。
posted by 村井さん at 16:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月09日

雑感:汚染水対策に思う−]V

「雑感:汚染水対策に思う」の前号で、「山から毎日1000トンの水が流れているという現実を考えると、地下水の水の道を変更することを追及しなければならない筈だ。」と断言するように書いた。とはいうものの、正直具体的なアイデアと言っても、できるだけ原子炉建屋から離れたところの地下水をくみ上げ、汚染されていない水を海に流し、敷地全体の水圧を下げるというくらいだった。
 しかし、ここで画期的な方法を提案されている科学者がいる。原子力コンサルタントの佐藤暁さんだ。10月2日の毎日新聞「特集ワイド 福島の汚染水問題」で紹介されていた。

佐藤さんは、「敷地全体をひとつの島にするのがいい」と。(中略)「敷地全体から地下水を追い出そうというのだ。具体的には敷地を囲うコの字型に海まで通じる全長10キロほどの堀を造り、堀の底面は海面よりも3メートルほど下げる。原子炉建屋は海面より10メートル以上、地上タンクは海面より30メートル以上高い場所にあるため、地下水は敷地に入る前に堀を通じて海へ流れ、汚染源の原子炉建屋周辺に直接は到達できなくなる」というアイデアを提案している。ただし、これを実現するには、「現在は溶けて固化した核燃料が原子炉容器の中にあり、水をかけて熱をとっているが、『そろそろ空気で冷やす方法にすべきだ』」と主張しているのだ。水冷の代わりに、金属で冷やすとか、空冷でというのは以前から提案されている。確かに、空冷が可能な状態になっているならば、この難儀な大量の水との戦いは終わる。
前述の佐藤さんは「この方法なら7年もかかりません。2年半もあれば十分にできます」と言っている。東電は、真剣にこうしたアイデアも検討する必要があるのではないか?

ただ、京都大学原子炉実験所今中哲二助教授は同紙で「こうした対策をとったとしても原発処理が『コントロール』し切れるかは不透明だ。(中略)『一刻も早く原子炉内の燃料の状態を確認するとともに、汚染水貯蔵タンクに水量計やアラームを付け監視を強めるなど、やるべきことは多い』」と警告する。
 ほんとにやっかいなお荷物を背負い込んだものだ。しかし、水冷ではなく空冷の可能性が大なら、試験的に挑戦して見る価値はあるのではないか。その上でもちろん今中助教授の指摘も実現すればよいと思うが、素人の発想であろうか・・・・?
posted by 村井さん at 16:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 海洋汚染 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

雑感:汚染水対策に思う−]U

先日「汚染水処理人為ミスが頻発」「継ぎはぎ対策 現場疲弊」(神戸新聞、2013・10・7)という記事が出た。これは、ハンストニュース本文でも指摘したことだが、作業員が完全に東電、政府を信用できない状態になり、働く気をなくしているということが言える。しかし、もっと危機的状況なのは東電にもう対処する能力がないということを露呈していることである。

先日自民党の塩崎恭久政調会長代理が、「世界の英知を集め、国も出資する廃炉先端技術推進機構という会社にしたらどうか」(同紙)という東電の分社化を提案した。それに対して東電の相沢善吾副社長は、「これまで25人から30人でやっていたことを倍以上の人数をかけてやる」と答えている。また「一方、民主党の細野豪志・元原発担当相は東京電力福島第一原発の廃炉と汚染水問題に専門に取り組む新組織の思案をまとめ」首相官邸にも届けた。(朝日新聞、2013・10・8)とある。
こうした枠組みの話も大事なのかもしれないが、目の前の深刻な汚染水問題を解決する即効薬はないものだろうか?
自民党が提案する「分社化」「福島復興加速化特措法」などと提案するが、水俣病のその後の対応を思い出すと、どうも素直に受け取れない。何故だろうか・・・・?国民の信頼を取り戻すには、まず脱原発を宣言し、東電を破綻させてからのことではないだろうか!

ところで、果たしてフクイチの汚染水問題はもう手の施しようがないのだろうか?とりあえず、まずは毎日1000トンという大量の地下水が流れているのをある程度迂回するしかないというくらいは、素人の私でも分かる。現に「雑感:汚染水対策に思う-X」でも、私は「やはり応急措置としては、何とかして地下水位を上げないことではないだろうか?山から毎日1000トンの水が流れているという現実を考えると、地下水の水の道を変更することを追及しなければならない筈だ。」と指摘した。次から次へと起こるトラブルに対して、情けないけれど“イタチごっこ”のように対処しなければならないのだろうが、一方でちょっと引いてみて“鳥の目”でフクイチを見ることも必要だ。詳しくは次号で。
posted by 村井さん at 09:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 海洋汚染 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月07日

雑感:再生エネルギー−17

昨年7月に、再生可能エネルギーの固定買い取り制度がスタートして1年が過ぎますが、先日「(この)1年間に新たに稼動を始めた太陽光や風力などの発電設備容量(発電能力)が366万6千キロワットに達した」(神戸新聞、2013・10・6)との報道がありました。なんとこれは、原発3〜4基分に相当するそうです。ただし、「一方、同じ時期に国から買い取り対象に認定された設備容量は2291万4千キロワットに達し、認定を受けたものの施設ができていない計画が目立つ」という現実も明らかになっています。もし、計画し認定を受けた企業が、計画通り進めていれば、さらに最大で21〜28基の原発分が可能だったということを表しています。この問題は、経済産業省資源エネルギー庁が、制度に欠陥があったのか、もしなければ計画し、認可までおろした事業所に厳しく監督指導をすればすむだけの話でもあるのです。このことは依然にもこの「再生エネルギー」コーナーで触れたが、いずれにしろ政府が責任を持って、原発から再生可能エネルギーへのエネルギー政策の転換に旗を振れば進む、ということを証明したようなものなのです。
 今、小泉元総理の「脱原発発言」が話題を呼んでいますが、むしろ安倍政権は、自信を持って「原発に依存しない社会をめざす」と宣言すればよいのです。

 そんな中で、歓迎すべき動きとして、一つは福島で国内最大の地熱発電所の開発がスタートし、2020年には運転が始まるという。(福島県磐梯朝日国立公園内)
また、福島沖に「ふくしま未来」という名の風車が現われました。「来週にも試運転を始める。今は1基だが、2年後には3基の風車を備えた世界初の海に浮かぶ風力発電所が完成する。」(朝日新聞、2013・10・5)なんと3基が完成すれば1万世帯の電力が賄えるという予定です。さらに、「福島県の農業者と、大阪や東京などの都市住民計約70人が共同出資して福島県伊達市に太陽光発電「福島りょうぜん市民共同発電所」が完成した。」(毎日新聞、2013・10.2)というニュースも飛び込んできました。この共同発電所は、売電の一部を「福島復興基金」として積み立て、これからの福島の再建に役立てるというすばらしいアイデアがついています。
 こうして、福島が主役となり、原発事故を跳ね返し、新たなエネルギーを開発し、しかも福島の再建に取り組もうという動きが発信されはじめました。今後、続いてどんどんこうした提案がされるでしょう。「原発反対だけを声高に叫び、原発立地の住民のことを考えない!」という批判を耳にしますが、こうした発信があればこれまで電気を利用してきただけの私たちにも、参画できるチャンスが生まれてきます。

 フクイチの被災者への救済はもちろん、使用済み燃料の処分問題、福島第一をはじめとする廃炉の問題、そして毎日のようにトラブルを起こしているフクイチの汚染水問題と厳しい課題が目の前に山積していますが、一方で代替エネルギー問題が解決しなければ、明るい希望も見えなくなるので、先述したような福島からの発信に淡々と応えながら、福島のみなさまと共に福島の未来を描いて行きたいと思います。
posted by 村井さん at 10:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 再生エネルギー関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月28日

雑感:再生エネルギー−16

太陽光発電ではなく、「太陽熱発電」という言葉に目をとめました。太陽の熱で蒸気をつくってタービンを回し発電するのです。大型の設備が必要なので、初期費用に費用がかかるという難点があるようですが、米国やスペインで実用化されているようです。熱を蓄えることができれば、24時間発電も可能になります。

「八ヶ岳南麓の長野県富士見町。廃校になった中学校の校庭に、直径50センチの凹面鏡が2680枚ずらりと半円状に並ぶ。その中央に、高さ20メートルのタワーがそびえる。『タワー上部の大きな鏡に凹面鏡を向けて光を集め、熱に変えます。鏡一枚で約100ワットの電力を生むので、全体で約250キロワットの出力になります』。精密光学機器メーカーの三鷹光器(東京都三鷹市)の堀内広さんが説明する。一般家庭80世帯分の電力に相当する。」(東京新聞、2013.9.21)

「日本は土地が狭く雨も多いので、太陽熱発電には不向きとの見方が強い。石油ショック後『サンシャイン計画』の一環で、1981年に香川県仁尾町(現三豊町)に大規模な試験設備ができた。しかし計画通りに発電できず、その後、国の支援は一気にしぼんだ。ただ、蓄熱によって24時間稼動できるだけでなく、エネルギーの変換効率もなかなか優れている。
エネルギー総合工学研究所の吉田一雄参事は『太陽光発電は一般的に10数%程度。太陽熱は、最も普及している“パラボラ・トラフ方式”でピーク時で28%、年間では16%ぐらいになる』と指摘する」(同紙)

 こうして見ると、ほんとに工夫すれば再生可能エネルギーの開発は、未知数で今後も新しいアイデアがでるでしょう。爆発的に広範囲に普及させようとすれば、気軽に市民の一人ひとりが参加しやすいしくみを考えることが必須のようです。
posted by 村井さん at 15:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 再生エネルギー関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

雑感:汚染水対策に思う−]T

トラブルで停止中だったALPS(アルプス・多各種除去装置)が、2ヶ月ぶりに試験的に作動した。ALPSは、一日に400トンの処理ができるが、トリチウムだけは除去できないので溜まり続ける。このトリチウム、観測井戸から1リットル当たり15万ベクレルが検出された。最終的にはこの溜まり続けるトリチウムを海に流すことになるのだろうか?汚染される前の地下水の海への放出も抵抗があるのに、このトリチウムの海への放出となると漁業関係者の理解は得られないだろう。
 そして東電は、27日未明、フクイチの観測井戸でストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットルあたり40万ベクレル検出されたと発表した。地下の坑道にたまった高濃度の汚染水が土壌に漏れて、検出されたもの。

こうして次から次へと報道される汚染水漏れのニュースは、誰よりも福島の漁業関係者にとって最も辛い情報になる。もう総理や東電が安全宣言しても、信頼関係がないために漁業関係者は信用できないという根本的な問題がある。政府も、東電も、今世界中から技術者を募っているが、漁業関係者はじめ福島の被災者が、「なるほど!」と理解し、これなら安全だ!と納得できる説明をすることが求められている。もうこの種のニュースは聞きたくないというのが本音だろう。
にもかかわらず、またフクイチの5、6号機の取水口付近に設置していた「シルトフェンス」が破損していたことが分かった。しかも1〜4号機のところにあるシルトフェンスは二重になっているが、5、6号機のそれは一重だったと。
東京電力の第3者機関「原子力改革監視委員会」の委員長を務めるデール・クラインさん(原子力工学)は、「福島第一原発の水管理には、少なくとも今後10年はかかるでしょう」と述べた。(毎日新聞、「3.11後のサイエンス」2013,9,26)

昨日(27日)開かれた衆院経済産業委員会の閉会中審査で、汚染水に関する懸念は、すでに3.11後から指摘されており、東電は自社の経営再建を優先し、汚染水対策を事実上後回しにしたことがあきらかになった。
結局今回のフクイチの事故で、私たちが学ばなければならないことは、このような人々のいのちと健康に関わること、自然を破壊するようなことに関する判断は、直接利害のある企業や時の政権が下してはならないということであり、信頼のできる第3者委員会のもとで設置される職能集団に委ねなければならないということではないか。そしてこの「第3者委員会」というのは、あらゆる分野の専門家で構成されなければならないのである。
posted by 村井さん at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 海洋汚染 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月26日

雑感:再生エネルギー−15

今回は、再生可能エネルギーでも注目されている「木質バイオマス」について実践例を紹介する。政府の固定価格買い取り制度を受けて、大手の住友林業や王子ホールディングスなどもこの分野で事業拡大をめざしている。

 東日本大震災の被災地の中で、岩手県野田村では、「民間会社の『野田新エネルギー発電』が同野田村の森林約2ヘクタールに発電所を建設。沿岸北部地区から間伐材を集めて燃料とし、蒸気で発電する。2015年7月の試運転を目指す。」(河北新報、2013・7・31)と、木質バイオマスを復興整備計画に盛り込むのは初めての事業に乗り出す。これが予定通り稼動すれば、一般家庭約2万世帯に当たる約1万2000キロワットの発電が可能とのこと。
 また森林面積が全体の約8割を占め、林業と製材業が主要産業の岡山県真庭市も、このバイオマス事業に取り組んでおり、野田村と同じく間伐材を燃料として、市内の全世帯を上回る2万世帯に当たる約1万キロワットの発電に取り組んでいる。

 「しかし課題も多い。一つは、間伐材には山から切り出す費用がかかるため、従来の木質バイオマス発電の材料に比べて高価になること。(中略)大きな挑戦だが、山から木を切り出す新しい仕組みを実現できれば、発電にとどまらない効果も見込める。国産材を安く安定的に供給し、輸入材が主流の集成材など木材加工分野にも食い込める。新しい素材開発も容易になり、真庭の主産業である林業を21世紀の新しい成長産業に生まれ変わらせることで、地域再生につながる」(毎日新聞、2012・8・21、「間伐材でバイオマス発電」より)
としている。

 日本の国土の70%は、山林だと聞いた。こういう新しいエネルギー政策と林業再生を噛み合わせて工夫すれば、山が蘇り、海が輝きを増し、雇用も増え、市場も活性化できると「三方よし」となるのではないだろうか!!・・・・・。
posted by 村井さん at 15:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 再生エネルギー関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

雑感:フクイチの海洋汚染について−4

「福島漁師 不安の船出」「取った魚 海に捨てる気持ち分かるか」(朝日新聞、2013・9・26)
 水俣の漁師が、水俣病のために量ができなくなり、みかん山を切り開き「甘夏みかん栽培」に転換せざるを得なくなった苦悩を見聞きしたので、この福島の漁師の苦悩を少しは理解できる。同紙には漁師の一人が「本格操業の見通しは全く立たねえ。福島の魚を地元のじっちゃん、ばあちゃんは買ってくれるが、放射能が少しでも検出されたら、俺も取った魚を孫には食わせられねえ。漁師がだよ」と。ほんとに表現できないほどの悔しさがあるだろうと思う。

 福島で水揚げされる魚は、本来ならば全量検査の必要があるだろう。単純に考えてもサンプル検査だけでは十分でないといえる。単純には比較できないが、お米は全量検査をしている。野菜類も丁寧な検査をしている。私は、講演などで「福島の農産物は危ないといわれるが、考えようによっては、今市場に出回っている福島の農産物ほど安全なものはないのではないか!何故ならこんなに苦労して、手間隙かけ、検査をし、安全を確認してから出荷しているからだ!福島の農家さんはここにプライドをかけています。」といいます。是非、魚介類も同じように訴えられるように、一日も早くなって欲しいと願う。

 先述の水俣の元漁師、その後甘夏みかん農家のNさんたちは、組合をつくり、無農薬の甘夏栽培に取り組み始めた。「水俣病の被害を受け、苦しんでいる私たちが、農薬入りの甘夏を売るわけにはいかない!」と取り組んできた。Nさんは亡くなった。Nさんの娘さんは、「最近手がしびれ、指も“からす曲がり”の症状がでてきた」と話されていた。いま、水俣病の認定申請中である。

 水俣と福島、お互いがほんとうに支えあえるのは当事者同士でしかないのではないか・・・・・・。
posted by 村井さん at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 海洋汚染 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月25日

雑感:フクイチの海洋汚染について−3

 福島県漁業協同組合連合会は、26日から試験操業の開始を検討している。というニュースが飛び込んできた(神戸新聞夕刊、2013.9.24)。県漁連の組合長は、「何とか福島の漁業の再会を目指したい」とコメントを出している。もちろん、漁業者にとっては漁業再開が何よりの願いでしょう。
 試験操業は、今年の7月までは行われていたが、例の深刻な汚染水問題が浮上し、また中止になっていた。しかし、汚染水の海洋への流出は止まっていない。湾内の汚染水についても安倍総理のブロック発言に対して、東電も、東京都知事も「不可能だ」と否定しているという現状であり、非常に心配でもある。
 県漁連によると、「各漁協が試験操業中断後の7〜9月の間、対象の魚や加工品の放射性物質を検査し、100検体中95検体で放射性物質は検出されなかった。検出された5検体で最も高かったのは1キログラム当たり10ベクレルで、国の食品基準値の1キログラム当たり100ベクレルを下回った。」(先述の同紙)と説明している。
 ほんとに安全であることを祈りたい。そしてみなさんに3.11前のような笑顔が戻ることを切に願いたい。
 それでも、やはり疑わしい結果が出れば自粛して欲しいと願わざるを得ない。

今の時点では福島と水俣の海洋汚染と同等には比べられない。しかし、今現在も差別と分断が続く水俣では、公式発見から57年が経った今でも被害者は苦しんでいる。当時の母親の胎盤を通して水銀暴露を受けた、いわゆる胎児性の被害者は50歳代になり、ひしひしと将来の生活に不安を感じている。二度とこのようなことを繰り返して欲しくないと当事者は語る。水俣病の原因となったメチル水銀は、半減期はない!
posted by 村井さん at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 海洋汚染 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月24日

雑感:フクイチの海洋汚染について-2

「フクイチの海洋汚染について−1」で、「ほんとに大丈夫!」だと証明されるまでは、魚介類の捕獲禁止を掲げるべきだ。」と書いた。
 その理由については、水俣病事件史を振り返れば理解できることだ。奇しくも10月5日〜6日、水俣において、「水俣から水銀条約を問うシンポジウム」がある。その中で、「水俣・不知火海の環境を考える」というセッションが行われ、1932年から海へ垂れ流されていたチッソからの有害物質が、約80年を経てどうなっているのかという報告が行われる。フクイチの汚染水の課題を考えると、いま、まさに水俣からの学びを得て、フクイチからの汚染水問題の解決に対処しなかればならないのではないかと思う。

 実は、国内法で放射性廃棄物の海洋投棄は全面禁止と規制した法律はなく、1993年の国際条約のみである。しかもこの法律はあくまでも船からの投機は禁止だが、陸上からの排出には適用されていない。(フランスのテレビ番組「終わらない悪夢」より)
水俣病という取り返しのつかない事件を起こしたにもかかわらず、国内法では廃棄物処理法(ただし同法に関連して「その他の廃棄物に関する法律等」として環境基本法、家電リサイクル法、水質汚濁防止法など約50近い法律がある。)しかなく、その中の水質汚濁防止法には、「適用除外等第23条 この法律の規定は、放射性物質による水質の汚濁及びその防止については、適用しない。」と期されている。
つまり、乱暴に言えば“フクイチからいくら放射性物質を垂れ流しても、法的には罪にならない”ということになる。

さて、2013・9・21付け神戸新聞に「Q&A 汚染水 海洋に流出」という記事があり、「影響なし」見解に疑問という見出しがついている。ここでは@政府が、放射性物質を含んだ地下水が1日300トン流出していると試算。A(放射性物質の濃度については)東電の調査で、7月にはセシウム137が1リットル当たり770ベクレル、8月にはストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が100ベクレル検出。B(どれだけの量が海に出たか)東電は2011・5から今年8月までに、セシウムとストロンチウムが計約30兆ベクレル流れたと推測などが解説されており、「量は規制されないの」という質問に対して、「海に出る量に関しては規制する法律がありません」と回答している。
このような状況で安倍総理の「ブロック発言」はあり得ないことがわかる。同Q&Aの最後に、「それでも汚染水の影響はブロックされているといえるの。」との質問に、「放射性物質は海の水で極めて低い濃度に薄めらます。ただ汚染水流出は止まっていませんし、セシウム137の放射性の強さが半分にまで減少するのには約30年かかります。本当に影響がないのかは疑問です。」と答えている。

このように、影響がないということは考えられないというのが正直な見解だろうと思われる。水俣病事件史を振り返るならば、「疑わしきは罰せよ!」ということになるのでは・・・・・。
posted by 村井さん at 14:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 海洋汚染 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。